日本で開花したフィンランドログハウスの歩み【その③】
日本のマシンカットログの多くは、今も昔もフィンランド製。本国では1950年代に登場したマシンカットログは、いつから日本に建てられ、どのような発展を遂げたのか? 事情をよく知るおふたりに伺った。
ログハウスの進化が続き都市部にも建てられるように
2000年前後から、ログハウスの性能の実証実験が行われ、耐火性、防火性が認められ、建築の幅が広がり始めた。ホンカ・ジャパンは2002年に防火認定を、2007年に45分耐火認定を取得。TALOインターナショナルも2004年に45分耐火認定を取得している。同時に、住宅プランが続々と登場し、住宅用として建てられるログハウスが増えてくる。 「日本の法律を守りながら、これこそフィンランドログだ、というプランを作りました。特にモダンということでもなく、あたたかみがありシンプルな間取りとデザインです。カラーリングの提案も行い、これまでにない演出を進めました」と振り返るのはマルコさん。おしゃれでキュートなログハウスの登場に多くの人が魅了された。一方で技術も向上していく。前述の耐火、防火の認定はもちろんのこと、特に画期的だったのが、総2階建てログハウスの登場だ。それまで小屋裏(ロフト)仕様に限られていたログハウスの2階部分に壁を立ち上げられるようになったことで、マシンカットログハウスの居住性は大きく進化し、ログハウスブームといえるほど着工数も増えた。
「TALOインターナショナルでは、1999年、総2階建てのシステム認定を業界で初めて取得しました。耐火認定と合わせて、都市部の狭小地に適したログハウスが建てられるようになり、住宅としての需要が増加。別荘の施工数と逆転しました」。
お話をうかがったのは…
取材・文/たむらけいこ、写真提供/㈱TALO インターナショナル、㈱ホンカ・ジャパン