幻の「杉田梅」の魅力を伝える市原さんの梅しごと【その④】

本来、「梅しごと」とは梅干しや梅酒を作ることを指す言葉だが、料理 研究家・市原由貴子さんの取り組みはスケールが大きい。一度は消滅したかに思われた日本古来の梅の再生と普及に力を入れているのだ。そのユニークな活動を見せていただいた。今回は梅干しの作り方をお伝えしよう。

市原さん直伝! 梅干しの作り方

「梅を漬けるとドラマチックな変化があっおもしろいですよ」と市原さん。塩漬けにした梅から出る梅酢に紫蘇を入れれば梅干しが赤く色づき、入れなければプレーンな色に。好みに合わせて作ってみよう。

●手順① 梅の実はヘタを取って水洗いし、水気を切る。アルコールに入れて消毒する(ヘタを取るとえぐみがなくなり、エキスが出やすくなる)

●手順② カメの内側にアルコールスプレーを噴霧して、底と側面をぬらす。カメの底と側面に塩を振る

●手順③ 梅の実をカメに入れる。底に1段分敷き詰めたら、上から塩を振る

●手順④ その上にまた梅の実を置き、敷き詰めたら塩を振る工程を繰り返す。梅の実の段が上になるほど塩を多くするのがコツ。あとで梅酢が出ると塩が下に行くので、均等だと下が濃く上が薄い状態になってしまうのを防ぐため

●手順⑤ 落しぶたを入れ、その上に重石を載せる。重石の重さは梅の実と同じくらい(梅の実が完熟していたらやわらかいので軽めに、逆なら重めにする)。ほこりが入らないように新聞紙で包んで縛る

●手順⑥ 1~2日置いて梅酢が出てきたら重石をはずし、カメのふたをして梅雨が明けるのを待つ。その後、天日で干す(杉田梅は5日ほど、普通の大きさなら3日ほど)

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