[2]女子が木を伐るところからログハウスを造る DIY女子部 <1.木の伐り方[ 後編 ]>

女性が中心になってポスト&ビームのログハウスを造るプロジェクトがスタート。家づくりと同時に、荒れた杉林の整備と地域振興まで実現しようという野心的な試みがはたしてどうなるのか? プロジェクトの進行とともに、家づくりのノウハウも紹介していこう。

文/木こりの源

伐倒方向に、受け口と言う切り口を作ります。受け口から垂直方向が伐倒方向となります。

最初小さく切り口を入れて、方向を確認して、微調整しながら木の直径によって、直径の1/4から1/3まで、受け口を大きくします。伐倒方向を再確認し受け口は完成です。

小さく受け口を作って伐倒方向の確認、この場合左が伐倒方向
完成した受け口

次に、カケヤとクサビを準備して受け口の逆方向から受け口の高さの下から 3/2程度の位置に追い口を入れて行きます。

追い口は最後まで切りきらず、木の直径の1/10はツルとして残します。このツルが蝶番の様な働きをして伐倒方向が定まるので、重要な部分となります。

追い口にクサビを二方向から打ち込んでいきます。

順番にカケヤで叩いてドンドン入れていくと木が傾き、ある程度のところで倒れ始めます。

倒れ始めたら、チェーンソーを持って退避します。伐倒時に木の幹や枝が跳ねて飛んでくる場合があるので、できるだけ対象木から離れます。

木の倒れた時の音と振動は、何とも迫力があるものです。そして狙った方向に倒れた時の達成感はスポーツに通じるものがあり、体験すると病み付きになるのです。

杉は伐ってしまうと、広葉樹の様に切り株から芽吹く事はなく、そのまま枯れてしまいます。ローカルルールですが、私たちは感謝の気持ちを込めて、切り株にお水をかけて伐木を終了します。

倒した木は、葉がらしと言って枝葉を付けたまま半年ぐらい乾燥させてから材にします。

いかがでしたでしょうか? 木こりの世界。企業でのチームビルディングにも使えそうな体験ではないでしょうか? 体験してみたい方は、木こり体験ツアーも行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

次回は、集材から製材までをレポートいたします。

プロフィール

「木こりの源」こと井上源太郎

東京都出身。映像会社代表。玄米菜食カフェの経営、長柄町役場「移住定住コーディネーター」、森のスポーツパチンコ協会副理事長など幅広く活躍する。2017年よりNPO法人ふるさとネッツの理事となり、多くの地方がめざす地域創生を「林業」から実現する日本初のモデルとなるべく邁進中。

NPO法人ふるさとネッツ: https://furusatonets.net/

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