暮らしの形に合わせて選んだ平屋のログハウス

「こんなログハウスを建てたい」と夢をふくらませるのは楽しいものだ。ゼロから考えるのもいいが、参考例があれば発想がふくらんでベストな形が生まれやすくなる。自分なりにアレンジするのももちろんアリだ。日々の暮らしを幸せにしてくれる、「まねしたくなる秀逸アイデア」を紹介しよう。

千葉県・長谷川さん

設計・施工/TALO南千葉 (有)ナチュラルハウジング、輸入/(株)TALOインターナショナル

ブルーのドアが印象的な外観。掃き出し窓の外にウッドデッキと庭がある、外とのつながりを大切に考えた構成になっている

自然のこと、健康のことに興味がある長谷川良二さんが、20年来の夢だった田舎暮らしをスタートしたのは3年前。生活の場として選んだのは、TALOインターナショナルのマシンカットログハウスだ。 「20数年前、雑誌で見た平屋のログハウスにあこがれて同じログハウスを建てたんです。やっと夢がかないました」 以来、庭づくりに精を出し、料理やDIYに勤しみ、奥さまのアリソンさん、ボーダーコリーのエマちゃんと日々の暮らしを大いに楽しんでいる。

ふたりで立っても使いやすいキッチン。ダイニングテーブルの配置も含め、無駄のない構成になっている

「ログハウスのいいところは、シンプルなところ。材料はもちろん、わが家は間取りもシンプル。自分で作ったり改良したりするのが好きだから、シンプルなほうがイマジネーションがわき、手を加え家を知れば知るほど愛着も出てくるんです」とご主人。 イギリス人のアリソンさんは、ログハウスのことはあまり知らず、「雰囲気はいいけれどあたたかさは大丈夫かな?」と思っていたが「冬の朝起きて、家の中にぬくもりがあることにびっくり! ログハウスはフワッと包まれる感じがあって、今は住むならこれしかない! と思っています」とのこと。

暮らしの中心となるLDK。天窓のある勾配天井のおかげで、明るくゆったりとしている。材料はすべてフィンランドパイン

リビングを中心に、片側にふたつの個室、玄関ホールとトイレや浴室などの水まわりを配した、暮らしに合った無駄のないサイズ感は使い勝手も抜群。「当初はキッチンをリビング側に向ける配置を計画していましたが、限られたスペースをうまく使えるよう、今の配置に変更しました。配膳がしやすく大成功です」など、自分なりの変更を加えながら、思い通りの家を完成させた。 お気に入りのログハウスに手を加え、大好きなガーデニングを楽しみ、育てた野菜やハーブを食卓に取り入れる。ログハウスを中心に楽しく豊かな暮らしが営まれている。

【  Detail  】

≪ダイニングキッチン≫

ログに合うキッチンを探して選んだのは「ウッドワン」の木のキッチン。カウンターの配置で、調理と食事のスペースを上手に区分けしてある
I型キッチンが食卓を向いているので、会話を楽しみながら炊事ができる。コンロ横のログ壁はガラスで覆い掃除しやすくしている
上・下/本場のアフタヌーンティを、お腹も満たせるランチ風にアレンジ。庭で育てたハーブや野草も使った豊かでおいしい食卓

≪主寝室≫

玄関からLDKを挟んでふたつの個室を配置。左が寝室、右は書斎
ふたつの個室のひとつは一面にクローゼットのある寝室。天井高を生かして、クローゼットの上にハシゴで上るロフトを作ってある

≪書斎≫

もうひとつの個室は書斎として使用。寝室同様、広い部屋ではないが天井高があり、窓も2面にあるのでゆったり感がある

≪サニタリー≫

上・下/洗面カウンターはキッチンと同じメーカーのもの。モザイクタイルがログハウスに似合っていて、ご夫妻のお気に入り

≪外観、外構≫

平屋ならではのゆったりしたデザインが、周囲の自然とも調和する。ふたりと1 匹にちょうど使いやすいサイズ感がお気に入りだ
白でもグレーでもない、ニュアンスのある外壁カラーは、ドアの色と合わせてアリソンさんが選んだ
青はアリソンさんの好きな色。ドアには「hedgehog cottage」の手作り看板が。家に名前をつけるのは、アリソンさんの故郷イギリス流
ここにはイングリッシュガーデンを造る予定。石を敷き、芝生を植えるところから、すべて自分たちで進めている

【DATA】 ●使用目的/自宅 ●家族構成/夫婦 ●使用ログ材/フィンランドパイン(W11.2×H19.2cm) ●ストーブ/モルソー「2140JCB」 ●敷地面積/928㎡(280.72坪) ●床面積/ 1F 57㎡(17.24坪)、延床面積 57㎡(17.24坪)

取材・文/たむらけいこ、写真/関根おさむ、(株)TALOインターナショナル・細田健太郎