[5]女子が木を伐る所から家をつくる。<3.製材>

女性が中心になってポスト&ビームのログハウスを造るプロジェクトがスタート。家づくりと同時に、荒れた杉林の整備と地域振興まで実現しようという野心的な試みがはたしてどうなるのか? プロジェクトの進行とともに、家づくりのノウハウも紹介していこう。

文/木こりの源

丸太の製材は、チェーンソーでも特別な機材を使えば製材は出来ますが、製材所で行うのがベストです。

チェーンソーで数本なら良いかもしれませんが、木材の縦引き(木の繊維方向に切る事)は、機械に非常に負荷がかかってしまいますし、何十本も製材するのは、時間的にも、機械的にも厳しいので製材所に頼むのが現実的でしょう。

私達は、長柄町の友次製材所さんにお願いしております。 大抵の製材所は、原木をフォークリフトで受け入れてくれます。

フォークリフトによる受け入れ

受け入れられた原木は、製材機の木材を待機させる台に乗せられ、機械でコロコロと転がされ、列車の様な台に移されます。

動く台に丸太を固定し、切るところを見極め微調整して製材機の歯に、台ごと向かって行きます。
製材機の歯は、帯ノコという文字通り帯状の大きいノコギリを使います。
これが高速に回転している所に、木材列車が入って行くイメージです。

さて、丸太をどの様な形に製材するか見ていきましょう。 柱に使う材は、壁が接する面を製材します。 下の平面図を見ながら説明していきます。

見せる柱は一面を薄く、角に据える柱は直角ができるように2面製材して扇状に、壁に挟まれた柱は対角の2面を製材して太鼓状に、三面壁に囲まれる柱は三面を、それぞれ製材します。 それぞれ、一面引き、扇引き、タイコ引き、三面引きと言います。

では、梁、桁、母屋を下の断面図と共に見て行きましょう。

まず柱の上にくる梁はタイコに、その上にくる桁は三面、桁の上の母屋は三面といった具合に製材していきます。 それぞれの部位の機能と加工のしやすさから、この様に製材していくのです。

ミス日本が製材を見学しに行ってみた! こちらの動画で製材の様子がご覧いただけます。

URL: https://youtu.be/Fpdqzad82Gw (画像をクリックください)

次回は、図面の見方です。

有限会社 友次製材所 〒297-0218 千葉県長生郡長柄町桜谷87 Tel:0475-35-4235 Fax:0475-35-4231 建築設計 ログテック二級建築設計事務所 松本 透亮(まつもと ゆきふさ) (千葉県知事登録第2-0408-6038号) 〒299-3255 千葉県大網白里市みどりが丘1-17-3  Tel:0475-72-5952 Fax:0475-72-5962

プロフィール

「木こりの源」こと井上源太郎

東京都出身。映像会社代表。玄米菜食カフェの経営、長柄町役場「移住定住コーディネーター」、森のスポーツパチンコ協会副理事長など幅広く活躍する。2017年よりNPO法人ふるさとネッツ(https://furusatonets.net/)の理事となり、多くの地方がめざす地域創生を「林業」から実現する日本初のモデルとなるべく邁進中。

NPO法人ふるさとネッツ: https://furusatonets.net/

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