【カルテ02】「ログが腐ってきました」
教えてくれた人:㈱ティーエージー 顧問 小林 彰さん
傷んだ部分を取り除いて防腐剤などでガードを
ログハウスのメンテナンスにおけるいちばんの悩みは、躯体の劣化をどう防ぐかにあります。 ノッチの肩やエンド部分の腐りは要注意。傷みが部分的であっても、放置すると木材腐朽菌が広がり続け、最悪は構造躯体も何らかの処理が必要に。この場合、腐食したログ材を切り取り、防腐剤と弾性コーキングで下処理し、新たな木材でカバーをすることが必要。その後、水切り板金を上部に施工し処理を完了させます。 また、ログ材に湿気によるカビの発生と同時に乾燥による亀裂が生じて、塗装がはがれてしまうケースも。 症例も対処法もさまざまですが、共通していえることがあります。それは、ダメージを受けた部分を確認・特定し、木材腐朽菌の繁殖を防ぐ対処を行ってから、高圧洗浄機などでクリーニング。その後、シールやコーキングなどを行い、仕上げに木材保護塗料にてガードをするということです。
■Before
■After
≪ PROFILE ≫ 小林 彰 ㈱ ティーエージー顧問、(同)ティーエージーメンテナンス顧問、管理建築士、応急危険度判定士
1993 年、ログハウスと北欧住宅を手がける( 株) ティーエージーを設立。設計、プランニング、現場監理、アフターメンテナンスを行なうなか、ログハウス全般に関しての「駆け込み寺」的な地位を確立する。2014 年、ログハウスの改修、補修に特化した(同)ティーエージーメンテナンスを設立。他社の物件も含め、傷んだログハウスの相談や治療を行なっている。