教えて!薪ストーブのこと [ 中編 ]

ログハウスに合う暖房として人気の薪ストーブ。でも知らないことが多すぎて導入してもいいものか?<br>薪ストーブのプロに素朴な疑問を解消してもらおう。

取材協力/一般社団法人日本暖炉ストーブ協会理事長 鷲巣 勤さん

Q 薪ストーブのいいところってどんなことですか?

A あたたかさはもちろん炎がある暮らしも魅力です

悪い点が思い浮かばないほど、薪ストーブにはいいところがたくさんあります。薪ストーブの魅力として第一に挙げたいのは、やっぱり独特のあたたかさ。これは体験しないとわかりにくいのですが、エアコンやファンヒーターにはない上質なあたたかさが味わえます。炉内で薪を燃やした熱を、鉄の本体が放出する輻射熱は、不思議とまろやか。体を芯からあたため、住まいもあたたまるうえ、冷めにくいという特徴があります。

第二に、多くの人がひかれる直火のすばらしさ。お客さまによっては、暖房能力よりも、むしろこちらを重視しているように感じることも珍しくありません。炎を眺めることによる精神な癒しの作用は大きなもの。疲れやストレスでギスギスした心が安らぎますよ。また、直火の魅力として、薪ストーブを使った料理が楽しめるという点も見逃せません。料理用ストーブもありますが、一般的なストーブでも、多彩な料理が作れます。

第三に、インフラに頼らない道具であるということ。東日本大震災のあと、薪ストーブの需要が高まりました。電気やガスがなくても煮炊きができ、暖も採れる。そんなところが、近年見直されつつあるんです。化石燃料に頼らない、カーボンニュートラル(※)な暖房という点も、環境面から注目したい特性です。

※カーボンニュートラル:薪を燃やすと二酸化炭素が発生するが、もともとその二酸化炭素は木が生長する過程で大気中から吸収したものなので、二酸化炭素の増減には影響がない、という考え方。

取材・文/たむらけいこ イラスト/五嶋直美

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