【カルテ 05】「天井裏がカビました」

教えてくれた人:㈱ティーエージー 顧問 小林 彰さん

ある程度は改修工事で通気量を増やせるケースも

【Before】妻壁にもともとあった小さな換気口では通気量が不足していた

家の内部、特に天井裏や基礎内部の換気は、躯体の防腐や土台、根太、断熱材などへのカビ菌や木材腐朽菌の繁殖防止、結露防止のために重要です。 基本的には、対症療法的にひとつひとつの問題を解決するのではなく、新築時に有効な換気方法を提案し、正しく施工することが重要。しかし、ある程度問題が起きたとしても対処する方法はあります。 写真の事例は、屋根上部の換気量の不足に起因するさまざまな問題を解決するために、自然換気の通気量を増やす改修工事を行ったものです。

そこで妻壁に大きな開口部を設け……
【After】ルーバー状のパーツで覆った

また、基礎内部の通気ガラリや通気パッキンよる換気を行う事例が多く見られます。最近では基礎内部の通気をシャットアウトして基礎断熱を行い、エアコンによる冷暖房を行う事もあるようですが、エネルギー効率や衛生面での不安(施工中のほこりや居住中のほこり、花粉)などの理由で普及は少ないようです。

≪ PROFILE ≫ 小林 彰 (株) ティーエージー顧問、(同)ティーエージーメンテナンス顧問、管理建築士、応急危険度判定士。

1993年、ログハウスと北欧住宅を手がける(株)ティーエージーを設立。設計、プランニング、現場監理、アフターメンテナンスを行なうなか、ログハウス全般に関しての「駆け込み寺」的な地位を確立する。2014年、ログハウスの改修、補修に特化した(同)ティーエージーメンテナンスを設立。他社の物件も含め、傷んだログハウスの相談や治療を行なっている。

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