メンテナンスの知恵袋【その5】

木という自然素材をそのまま壁にするログハウスだけに、美しい姿を長く保つためには適切な手入れが必要だ。ログハウスのメンテナンスを専門に行う(株)三ツ木の宇賀神さんに、長もちさせるコツを教えてもらった。

取材協力/(株)三ツ木

台風被害は火災保険で賄える?

「どの保険会社でも、火災、風災、ひょう災、落雷は最も安価なプランにセットされているので、台風被害も保険の対象となります」と宇賀神さん。ただし、免責設定がある場合は、免責額を超える金額のみ。また、建物の劣化が原因と見なされたら、保険は下りない。 「今年は、台風でウッドデッキの手すりが倒れてしまうといったひどい被害もありました。こうしたときには、被害状況がわかる写真をLINEで送信いただければ見積書を出しますので、それを保険会社に提出していただきます。ほとんどのケースでは、現地調査なしで保険金が下りますよ」。

火災保険の内容はしっかり確認

上2点/台風で被害を受けた屋根まわり

火災保険は、住宅ローン利用時に強制的に加入していることがほとんどなので、契約内容を把握していない人も多い。今一度、確認しておこう。

DIYメンテの注意点は?

マスキングテープを貼りっぱなしにしてのりを固着させてしまう、高圧洗浄機でログ壁を削ってしまうというのが、ありがちな失敗だと宇賀神さん。 「塗装のコツは、下から塗り始めること。上から塗り始めて塗料が壁に垂れると、その上から塗装しても濃く跡が残ってしまいます。反対に、下から塗れば、塗った面に塗料が垂れてもうまくなじんで目立たなくなりますよ。また、塗装を途中でやめて後日再開すると、塗り継ぎが目立ってしまいます。塗り始めたら、その部材は最後まで塗り切りましょう」。

上から塗装して途中で断念

ログオーナーが、壁の上のほうから塗装を始め、途中で断念してしまった例。大きな色ムラが残ってしまった。

強すぎる高圧洗浄

高圧洗浄機で汚れを落とそうとし、塗装まではがしてしまった。カビや汚れは、高圧洗浄では落とせないのだ。

取材・構成・文/原 太一、写真提供/(株)三ツ木

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