【Feel横浜展示場】世界でも初めてとなる新素材CLTを使用した次世代のログハウス

時代を反映したログのモデルハウスが続々と登場している。ログ建築の可能性を広げる斬新なデザインや構造の工夫、ユニークなコンセプトも見どころのひとつ。そんな最新のモデルハウスを見てみよう。

(株)フェニックスホーム

セトリングせず高気密。 国産ヒノキのCLTログハウス

間仕切りを設けて、ダイニングとリビングの空間を分けている。こちらのリビングは、一部が白壁で明るい印象。窓の向こうは、打ち合わせスペースだ

横浜から車で15 分という好立地にある、フェニックスホーム・フィール横浜展示場。この展示場の最大の魅力は、CLTという新素材を使用した世界初のログハウスを見学できることだ。

上2点/強度や寸法安定性が高い構造材として世界中で多用途に使われているCLTを、ログ材として使用

CLT(クロス・ラミネーテッド・ティンバー。直交集成板)とは、木の板を繊維方向が直交するように積層接着したラミネート材のことで、強度の高さや森林資源の有効活用といった面から、建築物の構造材としていま大きな注目を集めている。この展示場のログハウスは、国産ヒノキを材料とした高さ90㎝のCLTパネルにノッチを刻み、ログ材として利用。モダンで遊び心ある2 階建て住宅に仕上げている。

1階からグルニエまで抜ける吹き抜けは、高さがあって開放感抜群。また各階の空間をやわらかにつなげる役割も果たしている

ログ材にCLTを使うメリットとして挙げられるのが、まず施工スピードのアップ。一般的なログ材の高さは15~20㎝なので、高さがあるCLTなら積む段数が少なくて済み、結果的に施工期間を大幅に短くできるし、商品として均一性も保ちやすくなる。さらに、材の収縮がないためログハウス特有の現象であるセトリングもなくなり、気密性も飛躍的に向上する。世界初の建物で現在はまだデータ測定中のため、完全なノンセトリングとも超高気密ともいえないそうだが、その性能が従来のログハウスを大きく超えていることは間違いないだろう。 次世代のログハウスが見られる唯一の場所として、ぜひ足を運んでいただきたい展示場だ。

【  Detail  】

≪ダイニングキッチン≫

上2点/大きな窓から光が入り、明るく清潔感あるダイニング。ログ壁は国産ヒノキだが、天井材と床材にはパインを使用している。キッチンは人気が高い対面式のカウンタータイプで、ダイニングでくつろぐ家族と会話を楽しみながら料理ができる仕様だ

≪和室≫

国産ヒノキのログ材あらわしの壁は、和室の雰囲気にもよく似合う。スタイリッシュな丸いはめ込み窓がアクセントになっている

≪2階≫

ロフトにある壁にクライミングホールドを取りつけて、ボルダリング遊びができるようにした。遊び心ある設計だ
ロフトの奥の一角は、キッズのためのスペース。すぐ隣に授乳室もあるので、小さな子どもを連れて見学に行く場合でも安心だ
上2点/1階から階段を上がると、そこは第2のリビング。あかり取りの窓から光が差し込む場所にソファを置いたり、梁にブランコを取りつけたりしてくつろぎの空間にしている。収納家具も兼ねた階段を上がるとグルニエだ

≪グルニエ≫

グルニエは7 畳近い広さがあり居心地がいい空間。工夫しだいでいろいろな用途に使えそうだ
グルニエから屋上に出れば、そこは広々としたバルコニー。バーベキューなどいつでもアウトドアが楽しめるスペースだ

≪外観≫

ログハウスはブルーのペイントが都会的

【DATE】 所在地/神奈川県横浜市保土ケ谷区初音ケ丘18-11 営業時間/10:30~18:00 定休日/水曜、木曜(祝祭日を除く) アクセス/JR横須賀線・湘南新宿ライン「保土ケ谷駅」 西口よりバス[25系統]横浜駅西口行きに乗車(約10分)、 「花見台」バス停下車徒歩1分 設計・施工/(株)フェニックスホーム 延床面積/52.10坪(172.25㎡) 工法・加工/マシンカットログハウス(スクエアノッチ) ログ材/国産ヒノキCLTパネル(W12×H90㎝) 問い合わせ先、見学予約/(株)フェニックスホーム  TEL 0120-15-6983 https://www.kinoie.co.jp/

文/原 太一、写真/畔柳純子