好きな家具や照明が映える住まいでヤギを飼い、DIYを楽しむ

愛知県 久野さん

設計・輸入・施工/夢木香(株)

モデルプランをアレンジして自分たちらしさを追求

三角屋根の外観は奥さまの強い要望。シックなカラーリングを施し、スタイリッシュに仕上げた。ログハウスに住み始めてから飼ったヤギのめいこは久野家のアイドル的存在

外壁をグレーで塗装し、黒のサッシで全体を引き締めたスタイリッシュなログハウス。結婚と同時に家を建てようと決めた久野さんご夫妻は、今までとは違うスタイルの住まいを求め、「身近な感じがする木の家がいいかな」という漠然とした思いからログハウスを検討するようになった。

コンパクトなキャンプチェアに座って、薪ストーブの前でくつろぐのがふたりの習慣に。丸太をサイドテーブル代わりに使っている

家づくりのパートナーに夢木香を選んだ理由は、設計から施工、メンテナンスまで自社で一貫して行っているから。「責任を持ってすべてサポートしてくれる」と感じたそうだ。広さや間取りなど要望を盛り込んだプランと予算を比べたときのコストパフォーマンスの良さも魅力だった。「モデルプランがあって、それを土台に変更できるスタイルもいいと思いました。相談しながらアレンジしていくのは一から決めるより効率的だし、自分たちらしい住まいにもなりますから」とご主人。

お気に入りのLOW YOYOの照明が映えるよう、吹き抜け天井の設置位置を念入りに計画。ダクトレールを設置するためあえて梁を渡した

要望のひとつだった開放感は、モデルプランにあるリビングの吹き抜けですでにかなえられており、「玄関収納を広くしてもらったぐらいです」と、モデルプランの完成度の高さに納得のご夫妻。むしろ、ご主人が集めていた家具や照明が映える空間にすることが重要なポイントだった。

上3点/「ガラクタ好き」というご主人が集めた個性的な照明が、木づくりの空間に独創性をプラス。設置位置はすべて計算済みのバランスの良さ

意匠やカラーに凝らず、内装の仕上がりをシンプルに。照明はどの位置に何をつけるか計画を立て、コンセントやダクトレールの位置を綿密にプランニングした。個性の強い照明をバランス良く設置できたことで、洗練されたデザイン性の高い住まいに仕上がっている。 ログハウスに住み始めてから、暮らしの楽しみが増えたおふたり。以前から飼いたかったヤギが日々の癒しになり、ご主人は建築端材でDIY、外壁やデッキの塗り直しなどのメンテナンス、薪割りで「忙しいぐらいです」と充実した休日。冬は薪ストーブを焚いて「ふたりで火を見ながらくつろいでいます」と奥さま。好きなインテリアに囲まれながら、暮らしの豊かさを満喫している。

【  Detail  】

≪リビングダイニング≫

「炎をぼーっと眺めるのが好き」というご夫妻が選んだベルギー製薪ストーブ。部屋の広さと見た目のバランスを考えてコンパクトサイズに
ミニサイズのアイアン製脚立の上に、ログ材の余りを載せてテレビ台に。シンプルにおさまった、常識にとらわれないナイスなアイデア
洗面室への間口の上に、流木のオブジェをさりげなくディスプレイ。室内のあちらこちらに遊び心がちりばめられている
床は素足への肌触りがやわらかいレッドパインのフローリング。年月を経るほど、赤みを増していくのも楽しみだ
ログ材の高さは20.3cmと高め。「部屋全体がスッキリと見える」というのも、同社のログハウスを気に入った理由のひとつだ

≪キッチン≫

キッチンの扉はシックなチャコールカラーをセレクト。汚れやすい壁面は、モスグリーンのタイルとグレーの目地でコーディネート

≪趣味室≫

ご主人の趣味グッズを集めた2階の6畳の洋室。天井の勾配と棚の置き方で、開放感と同時にこもり感も生み出している
釣りの仕掛けづくりや竿のメンテナンスができるコーナー。収納力があり、使い勝手も抜群。ここで準備をするのも楽しいひと時
ロードサイクルも趣味のひとつ。「最近は家にいることが多いので休み中です」と、ここに保管しながらディスプレイしている

≪2階オープンスペース≫

2階のオープンスペース。薪ストーブのあたたかさが吹き抜けを介してここにも伝わるので、冬は寝室代わりにしている
屋根の棟の高さを利用してグルニエを設置。ハシゴを収納するときは、壁のバーに引っ掛けて吊るすので邪魔にならない
三角屋根の棟に取りつけたシーリングファンは、タイの安いホテルや屋台で使われているもの。レトロな雰囲気がログハウスになじんでいる

≪玄関≫

二方向から出入りができる使い勝手がいい玄関。左側のリビングへ入る扉は一部がデザインガラスなので、室内に光を取り込める
モデルプランからアレンジして設けた奥の玄関収納。造作の棚に、靴のほかアウトドアグッズや家のメンテナンス用品をたっぷり収納
こだわりのブルーグレーの玄関ドアは、黒い取っ手がアクセント。釣りへ行ったときに拾った流木がオブジェとして立て掛けてある

≪ウッドデッキ≫

奥行き2mのウッドデッキは、標準から50cm延長している。朝食や冬の日向ぼっこ、バーベキューなど暮らしの豊かさにつながった場所
外壁、柱、デッキなど外まわりの塗り直しは、今やご主人の趣味のひとつに。半年に1 回の比較的早いペースで少しずつ行っている

【DATE】 ●使用目的/自宅 ●家族構成/夫婦 ●使用ログ材/欧州アカマツ(W11.3×H20.3cm) ●ストーブ/ドブレ「525CBJ」  ●敷地面積/325.27㎡(98.39坪) ●床面積/1F67.78㎡(20.50坪)、2F 48.02㎡(14.52坪)、延床面積 115.80㎡(35.02坪) ●総工費/2525万円+税

文/椋木敬子、写真/永田ゆか