こだわりの詰まったログでメリハリある二地域居住を満喫

せっかくログハウスに住むなら自分の好みやこだわりを生かしたいもの。夢を形にしたオーナーの暮らしぶりと、素敵なログハウスを紹介しよう。 ※記事内の価格等は2023年5月時点のものです。

長野県・Yさん

設計・輸入・施工/高原都市開発(株)

躯体からインテリアまで自分たちの好みを形に

庭側はデッキやバルコニーなど、屋外の眺めを楽しめるスペースがたくさん。採光を意識した屋根は、場所によって長さや形を変えた

長期休暇のたびに軽井沢を訪れ、貸別荘での滞在を楽しんでいたYさん夫婦。しかしコロナ禍でそれもままならなくなり、ログハウスの建築を決意した。いくつかの候補地の中から選んだのは、旧軽井沢や近くの商業施設にも出やすい、山あいの平らな土地。愛犬が駆けまわれる十分な庭の広さもポイントだった。

玄関を入り、扉をあけると正面にLDKが広がる。春夏は緑、秋は紅葉、冬は雪景色など、窓からは四季折々の風景が楽しめる

デザインや設備など、実現したいことがたくさんあったため、「価格はもちろん、担当者の人柄が良く、自分たちのやりたいことを形にしてくれると思えたところに」と、高原都市開発に依頼。エストニア産ラミネートログを使ったログハウスには、基本デザインからさらに自分たちのアイデアをプラス。例えば1階デッキの手すりは座ったときに視界の邪魔にならない高さにし、2階の窓面積を増やしてすべての窓や扉には枠をつけ足すなど、細部まで工夫を凝らした。インテリアも厳選したお気に入りで整え、ルイスポールセンの照明や手織りのハグみじゅうたんをはじめ、ひとつひとつが見どころでいっぱいだ。「こだわったのは、非日常空間であること。時々訪れる特別な場所だから、心地いいものだけを置き、眺めていたい」と、妥協なき家づくりだったことが伺える。

2階は壁を150cm立ち上げ、高さを出した。南向きの妻壁はほぼすべてを窓にし、明るさと開放感、眺めの良さを確保

現在は月に1度ほど訪れ、のんびりと家で過ごす。「以前はゴルフをよくしていたけれど、今はここでくつろぐのがいちばんの贅沢」と言うご主人。「建てるならログハウス」と望んだ奥さまも「ここに来ると木の香りがして、本当に癒やされます」と頬をゆるめる。時々娘さん夫婦や孫が遊びに来て、一緒に過ごすのも楽しいひと時だ。また、愛犬の散歩がてら近くの商業施設に行き、ランチを楽しむなど、家族やペットと過ごす時間が増えた。メリハリがあるオン・オフを手に入れ「ログハウスを建てて大正解」と充実した日々を送っている。

【  Detail  】

≪LDK≫

仕切りのないオープンLDK。東・西・南の3面の窓と天窓により、日中は明るさも抜群。電動リクライニングソファや角度が変えられる壁つけテレビなど、インテリアの機能も十分
左/ストーブはハースストーンのヘリテイジ8024。表面にソープストーンを使っており、火が落ちたあとも長くあたたかい 右/リビングにはスペインのマリネールのシャンデリアが下がる。エイジング加工されたアームが優雅で美しい
床下エアコンを取り入れ、吹き出し口が家の各所にある。真冬の不在時は10℃設定でつけておくと、水道管が凍結せず便利
ルイスポールセンのPH5やZENチェアなど、デザイン性の高いインテリアが空間を彩る。一脚だけ赤い椅子は奥さま専用。テーブルはサクラ材
心地良い空間では会話も弾む
左/ウッドワンのオープンキッチンはカウンターが広く、娘さん家族たちと一緒に立つのも楽しい。AGE の食洗機など設備も十分で、「家事がすごく楽」と奥さまはご機嫌 右/ログハウスでのティータイムも非日常感が高まる

≪2階≫

家の多くに内倒しと片開き、両方にあけられるツーアクション窓を採用。網戸もあり、夏は適度にあけておくと家中に風が通る
2階の個室は寝室の1室のみ。天井が高く、天窓もあって開放感十分。ベッドがあと1台は余裕で入る広さがある。反対側には大きなウォーク・イン・クローゼットもあり、客用布団など大物を難なく収納

≪サニタリー≫

サニタリーも天井が高く、天窓もあるため明るい。デッキに抜ける扉は洗濯物を干すのにも便利
真ん中は作業用カウンターとして造作。下段には床下エアコン本体が入っている
左/浴室暖房換気乾燥機つきのユニットバスで機能性を保ちつつ、壁と天井にヒノキを張った浴室。木の香りを楽しみながらの入浴は最高 右/トイレは1階と2階にあり、1階はカウンターつきでゆとりあり。すべての窓やドアにつく枠が、ここでは絵をかけているようにも見える

≪玄関≫

LDK との間は壁で区切りをつけた。右に行くとサニタリー、左に個室がある

≪外まわり≫

デッキ上の軒は、光を採り込めるように一部をガラスに。深めの軒に覆われたデッキや室内が明るくなるだけでなく、抜け感が出て見た目の印象も軽やかに
デッキには大勢が集えるテーブルコーナーと、眺めを楽しむ椅子席、ふたつのくつろぎスペースが。座ったときの目線に合わせ、柵の高さも調整した
落ち着いた色づかいのなか、華やかなカラーで目を引くふたつの扉。玄関はポストも含めてコーディネート。デッキに抜ける赤い扉は、赤いアウトドア家具とも合っている
周囲の森の景観になじむシックな外壁カラーは、ティックリラのバルティアクアカラー5088を2回塗り。窓やドアまわりの枠、ポールは白をアクセントカラーとして効かせた
広い庭で愛犬と遊ぶご主人。シカやキツネなど野生動物があらわれるので、愛犬は庭に出るとにおいを嗅ぎつけ興味津々で駆けまわる

【DATA】 ●使用目的/別荘 ●家族構成/夫婦 ●工期/ 2022年9月~ 2022年12月 ●構造/丸太組み構法 (スクエアノッチ)、地上2階 ●使用ログ材/北欧パイン(エストニア産ラミネートログ W11.3×H18.0cm) ●外壁の塗料/ティックリラ(2回塗り) ●内壁の塗料/ティックリラ(2回塗り) ●基礎/ベタ基礎 ●ストーブ/長野総商 ヘリテイジ8024 ハイブリッド ●床面積/1F 75.90㎡(22.96 坪)、2F 46.49㎡(14.06坪)、延床面積 122.39㎡(37.02坪) ●総工費/3080 万円+税(仮設工事費60万円、基礎工事費240万円、ログ材料費1460万円、組み上げ・木工事費400万円、屋根・板金工事費165万円、左官・塗装工事費80万円、設備工事費425万円、その他250万円) ●設計・輸入・施工/高原都市開発㈱ https://www.kougentoshi.com/ TEL 0120-397-197

取材・文/魁生佳余子、写真/畔柳純子