この場所にいるだけで心と体が健康になる木と石の住まい
「こんなログハウスを建てたい」と夢をふくらませるのは楽しいものだ。ゼロから考えるのもいいが、参考例があれば発想がふくらんでベストな形が生まれやすくなる。自分なりにアレンジするのももちろんアリだ。日々の暮らしを幸せにしてくれる、「まねしたくなる秀逸アイデア」を紹介しよう。
山梨県・Kさん
設計・施工/夢木香(株)
八ヶ岳の麓の静かな森の中に建つ、黒く落ち着いた雰囲気のログハウス。明るい日の光が注ぐ玄関を抜けリビングに入ると、大音量のジャズの音色が心地良く体を包み込んだ。 「とてもいい音でしょう。このログハウスの音響は最高です」と迎えてくれたのは、この家のオーナーであるKさん。現在、東京の自宅と完成して間もないこのログハウスとでデュアルライフを行っている。
「コンセプトは『祈りと音楽を捧げる家』。訪れる人みんなが元気になる健康住宅として建てました」とKさんが話すこの家は、延床面積約145㎡のマシンカットログハウス。白くペイントしたログ材は、国産ヒノキを使用した厚さ140mmのラミネート材で、加工も国内で行ったもの。ヒノキでこれだけの厚みがあるログ材は、ほかに例がないだろう。
床もユニークで、一般的にはパインやスギなどの無垢の床材を使うことが多いログハウスの床だが、K邸では天然石のタイルを使用。音響がいいのもこのおかげで、かたい床の石が適度に音を引き締めてくれるのだという。 また、温水式の床暖房を使用しており、じんわりと熱を帯びた床のあたたかさが実に心地いい。聞けば、基礎の中が塩、セラミック、炭を何層にも重ねた構造になっており、遠赤外線効果で体を芯からあたためる健康的なぬくもりが得られるのだという。しかも、1階の床すべてに温水パイプを張りめぐらせているので、寝室やトイレだけが寒いというようなヒートショックもない。「常に岩盤浴をしているようなものです。この家にいるだけで元気になりますよ」とKさんは笑うが、まさにその言葉通りの快適さである。
いずれは、自然豊かなこの地で農業と自分の仕事を両立させて、半農半Xの生活をしたいと話すKさん。すこやかなその暮らしの舞台として、これほどふさわしい住まいはないだろう。
【 Detail 】
≪リビング≫
≪キッチン≫
≪サニタリー≫
≪2階≫
≪玄関≫
≪外観≫
【DATA】 ●使用目的/ 別荘 ●家族構成/ 夫婦 ●使用ログ材/ヒノキ(W14×H20.3cm) ●ストーブ/ ホクスター「HAKA60/50sh」 ● 敷地面積/982.20㎡(297.11 坪) ●床面積/ 1F 114.6㎡(34.67 坪)、2F 85.94㎡(26.00 坪)、延床面積 200.54㎡(60.87 坪)
取材・文/原 太一、写真/関根おさむ
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