楽しむ生活×アート×ログハウス。モダンデザインの開放的な家

栃木県・手塚さん ●設計/(株)ビックボックス1級建築設計事務所 輸入・施工/(株)ビックボックス

公園に向けて開いた借景を満喫できる造り

「思い切りアート感覚の住まいを造りたい!」と考えた一級建築士の手塚さん。2019年に完成した自宅は、各所にさまざまなアイデアを凝らした見どころいっぱいの空間になっている。

昔ながらの「丸太小屋」のイメージにはあてはまらない、スタイリッシュさがこの家の最大の特徴。象徴的なのが、玄関を入ってすぐの場所にそびえ立つ、高さ3m近いオブジェのようなもの。これはリビングと長女の部屋を結ぶはしごであり、アートであり、飾り棚としても使えるマルチな存在。建築家フランク・ロイド・ライトの作品に触発されてデザインしたもので、幾何学的なパターンが連続する姿は存在感たっぷりだ。

床材の切り替え部や間仕切壁に角度をつけて、視覚的な広がり感を強調しているのもユニークだ。白壁と床や天井の境目に、幅木や廻り縁がない点も珍しい。「シャープな印象を演出するため、あえて省きました」と手塚さん。ほかにも、間接照明を仕込んだり、本物の観葉植物を室内に固定式の鉢で設置したりと、居心地良さと視覚的な気持ち良さをアップする工夫を随所に凝らした。 手塚さんは、実はログハウスメーカー、ビックボックスの社長。「この自宅を皮切りに、今後は『アートログ』と銘打って、アート感覚で造る特別なログハウスを手がけていきたい」と夢を語ってくれた。

オープンな造りもこの家の特徴。公園のすぐ隣という好立地を生かして、そちらに向けて大きく開いた間取りとした。1階はリビングの公園側に掃き出し窓を設け、その外にウッドデッキを設置。2階にもバルコニーに設けて、借景を楽しみながらくつろげる場としている。

室内側は、なるべくひとつながりの大きな空間にデザイン。「個室をたくさん作っても、狭くなるだけで気持ち良くないでしょう」と手塚さん。オープンな住まいで家族みんなの気配を感じながら、にぎやかに暮らしている。

DATA

使用目的/ 自宅 家族構成/ 夫婦+子ども4 人 使用ログ材/ 北欧アカマツ(フィンランド産、W11.3 × H18cm) ストーブ/ ハイフレーム「HF-517U」 敷地面積/ 172.67㎡(52.23 坪) 床面積/ 1F67.03㎡(20.27 坪)、2F 57.33㎡(17.34 坪) 延床面積/ 124.36㎡(37.61 坪) 総工費/ 2620 万円+税

取材・文/編集部、写真/武田賢士郎、(株)ビックボックス