タテに角ログを使うという新発想!「パネルログ」の魅力

福島県・芳賀沼さん ●設計・施工/(株)芳賀沼製作

セトリングが発生しないローコストな木の家

福島県・南会津の風光明媚な土地に建つウッディな家は、一見ログハウスのようにも思える。実はこの家、ログを横に積み上げるのではなく、縦に並べて使おうという新発想から建てられたもの。ログハウスでは、のちにログが沈み込んでくる「セトリング」が起きるため対策を講じた施工が必要となる。「それなら縦に並べてセトリングを克服しよう」と、芳賀沼製作が開発したのがこの「パネルログ」だ。地元の森林資源を使って工業製品化し、地域活性化につなげようという熱い思いによる事業展開である点もユニークだ。

パネルログは、文字通り無垢の角材を縦に並べてビス打ちし、パネル化したもの。施工は基本的に在来軸組工法で、柱や梁の間にパネルを設置して施工していく。工場で図面通りのサイズにパネル加工され、施工現場で組み上げていく工程をたどるため、ローコストと施工の短期化をはかれるのがメリットだ。現場作業の簡易化を実現したため、施主のセルフビルドによるコストカットも可能。坪単価50万円ほどという価格も大変魅力的である。 今回取材にお邪魔した家は、住宅街にも調和するように一部を金属サイディング張りにしたモダンスタイル。2階建ての2LDKで、若い世代にちょうどいい間取りだ。天井、床、階段、内壁をパネルログと同じ素材で統一しているため、ログハウスと変わらず木のぬくもりあふれる北欧風の内装となっている。

1階はオープンなワンルームのLDKとし、スポーツマンであるご主人の「フィットネスに使いたい」という希望に応え、多目的に使える土間をしつらえている。2階には個室、サニタリーを設けてプライベート空間とLDKを完全に分離。来客があっても生活感が垣間見えないのも工夫のポイントだ。「木の香りが心地良く、断熱性・気密性に優れるので、一年を通して快適です」と、夫妻ともに居心地のいい家に大満足している。

ディテールをcheck!

左/システムキッチンを囲むようにカウンターテーブルを造作し、ダイニングスペースをコンパクトにしているが、4 人掛けできる余裕がある。照明はオーデリックを採用 右/2階の多目的スペースは、第二のリビング。パネルログと同じスギを使って、床、天井、仕切り壁で統一したので、木の香りが漂うぬくもりのある空間となっている

DATA

使用目的/ 自宅 家族構成/ 夫婦 使用ログ材/ スギ、ヒノキ(W11.27 ×D10.5cm) ストーブ/ ストーブ:ヨツール「F105」 敷地面積/ 547.06m²(165.49 坪) 床面積/ 1F 36.43m²(11.02 坪)、2F 38.09m²(11.52 坪) 延床面積/ 74.52m²(22.54 坪) 総工費/ 1200 万円+税(造作家具などを除く)

取材・文/長田節子、写真/畔柳純子