スウェーデンの野外博物館「スカンセン」に見るログハウスの耐久性②

世界最古の野外博物館「スカンセン」には歴史的な価値が高い建物が約150棟集められ、その多くをログハウスが占めている。味わい深いオールドログハウスの世界をのぞいてみよう。

文・写真/押田雅博

当時の生活ぶりを再現

ユニークなのが、当時の衣装を着たガイドが当時の生活ぶりを再現していること。牧場では、実際に牛も飼われている。オオカミやオオジカなど北欧の動物を集めた動物園も併設されている。建物によっては中に入れないものもあるが、教会、ガラス工房、雑貨屋、家具工場、カフェやパン屋などは現在も現役として活躍している。多くは200年以上使われてきたものだ。現状維持のためにスタッフは日々大変な思いで手入れをしていることが推察できるが、厳しい環境に打ち勝ってきたログハウスの耐久性の高さに感心する。

The Oktorp Farmstead

上2点/ハットランドにあった1870年頃の一般的な農家。ハットランドの森にはオークとブナが生え、それらの木材がよく使われた。ログハウスの屋根は麦わら葺き。住宅棟はふたつの高い倉庫に囲まれている

The Fin Settlemnt

上2点/15世紀以来、フィンランドから移民してきた農民たちは、主に森の中に住んだ。これは19世紀半ばに見つかった家。家族は木の樹皮や羊毛などを使ってさまざまなものを作った

The Mora Farmstead and the sunner pasture farm

ダーラマ地方にあったモーラ農場。ここでは、小規模農業と畜産が行われた。夏は、牛は牧草がある場所に移動された。この農場では、ミルクを使って、チーズとバターが作られた

The Fatburen Storehouse

17世紀に造られた貴族の家の倉庫。食料や生活用品などを収納していた。ネズミよけのため、ネズミ返しの構造になっている

Cafe

上2点/19世紀にできたカフェ。現役で営業

The Bakery

1870年にできたパン屋。現在も伝統的なパンを販売

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