煙突と炉台のジオメトリー【その⑦】

安全性を考えると、薪ストーブの配置計画はプロにおまかせしたい。しかし、煙突や炉台を設置する際のセオリーを知っておけば、より安全で合理的な「薪ストーブがある住まい」づくりに役立つはずだ。

取材協力/エープラス

炉台はなぜ必要なの?

炉台の形は、設置場所や薪ストーブの種類によって変わる。一般的に部屋のコーナーに置く場合は3面、平面の壁際に置く場合は2面、まわりに可燃材がない場合は床面の1面といわれる。 また、薪ストーブには表面の温度が高めで輻射熱の大きなタイプも多い。この場合には壁や床の遮熱が必須となる。一方、薪ストーブの外装を二重構造とし、暖気の放出量が多いタイプは表面温度も高くなく、壁の遮熱が不要となるケースがある。薪ストーブの種類により炉台の造りも違ってくる。また、ストーブを置く台の高さは床と揃えたほうが、掃除しやすくつまずきにくい。

部屋のコーナーに設置する場合。薪ストーブを囲む遮熱壁の部分が多くなり、蓄熱効果が高まる
壁と床の2面を組み合わせた例。壁際に設置する場合に用いる。床と壁で素材を変えてもいい
壁から離れた場所や、遮熱壁が不要なタイプ。まわりに燃えやすい素材がないことが重要
遮熱壁を設けず、炉台の高さをフローリングの床と揃えた例。すっきりとした見た目になり、使い勝手も良好だ
炉台を広くし、炉台の中心をはずして薪ストーブを設置。薪やファイヤーツールも一緒に置くことができて便利だ

取材・文/押田雅博、イラスト/内藤しなこ

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