ログハウスの防災力!地震・火災に強い安心の住まい

ログハウスは見た目の雰囲気がいいだけじゃない! 実は地震にも火災にも強い建物だということが証明されている。まさに自宅に適した建物なのである。

取材協力/日本ログハウス協会

[ 後編 ]ログハウスは火災にも強い建物

木だから燃えやすいという誤解

木の家というと、燃えやすいというイメージを持つ人も多いだろう。確かに素材単体としてとらえれば、木は比較的燃えやすいものであることは確かだ。 しかし、ログ材のように厚みがある木の場合、表面は燃えたとしてもその部分が炭化し、燃焼スピードが急激に落ちるという特性がある。これは、できた炭化層が木を燃やすための酸素をシャットアウトしてしまうからである。 焚き火の中に太い丸太を入れたが、焦げるだけで燃え尽きなかったという経験はないだろうか。これも同じメカニズムが働いているから。ログが燃えやすいというのは、誤解なのだ。

火災でも倒壊・延焼しにくい

通常の木造建築でも、火災が起きた場合、真っ黒焦げになってはいても骨組みだけが崩れ落ちずに残っていることが多い。これは、前述した通り、柱の表面が焦げただけで、内部まで燃え尽きてしまわないということを意味している。 ログハウスの場合、柱どころか壁全体が厚いログ材でできているため、火災が起きたとしても表面が炭化するだけで、燃焼に必要な酸素が供給されなくなり、燃え広がるまでに相当な時間がかかる。そのため、避難する時間に余裕ができるのだ。ログハウスは、住まいとしてより安全だといえるだろう。

燃焼実験で防耐火性能を実証

ログハウスの耐火性能を証明するために、耐震実験同様これまで幾度もの燃焼実験が行われてきた。<br> 燃焼実験は、実際のログ壁を組み、片面から火炎で加熱。ログ壁の非損傷性(変形しにくさ)、遮熱性(非加熱面への熱の伝えにくさ)、遮炎性(火炎の貫通しにくさ)といった項目につき厳密に評価される。

その結果、2002年には国土交通大臣の防耐火ログの認定を取得。現在では、最大で建築基準法に基づく60分準耐火認定も取得している。

ログハウスの建築可能エリア拡大

以前は法律的にも燃えやすい建物とされ、防火規制地域に建てることが困難だったログハウスだが、燃焼実験により基準をクリアしたことで、防耐火認定ログが増加。屋根を不燃材にするなど、条件さえ満たせば、規制が最も厳しい防火地域にさえログハウスを建てることが可能になった。 これにより、現在では市街地にもたくさんのログハウスが建築されている。現在は多くのログハウスメーカーが認定を取得。主要メーカーのほとんどは準防火地域でも建築可能だ。マシンカットだけでなく、ハンドカットも60 分耐火認定を取得しており、建築エリアが大幅に拡大している。

構成・文/原 太一

関連キーワード