【カルテ 06】「害虫の被害に困っています」
教えてくれた人:㈱ティーエージー 顧問 小林 彰さん
土壌の薬品処理と防虫スプレーで対処を
ログハウスに被害を及ぼす害虫は、湿度、温度など虫にとって都合のいい条件が揃うと発生します。 シロアリはこうすれば完全に除去できる、とは言い切れません。やはり建物外周部の薬品処理が必要になってきます。在来工法では、地表面から深さ1mまで薬品処理を施すことが常識となっています。しかし、ログハウスではこの処理は行わず、最終工事での塗装工程で防腐・防虫剤入りの塗料を使用することで施主に引き渡すことが多いように見受けられます。その場合、ログの躯体は生木の状態で組み上げられることとなり、虫にとっては住みやすい環境となります。
また、カメムシなどは主に窓まわりのすき間などに多く発生する場合がありますが、これも組み上げ時の対処が適切にされているかが重要で、メンテナンスでの事後対処は大がかりとなるので注意が必要です。 防虫スプレーなどによる対処法がメンテナンス時に行える方法ですが、Tバーやログ自体への防虫のためには窓やケーシングもはずして行うのが有効となります
≪ PROFILE ≫ 小林 彰 (株) ティーエージー顧問、(同)ティーエージーメンテナンス顧問、管理建築士、応急危険度判定士。
1993年、ログハウスと北欧住宅を手がける(株)ティーエージーを設立。設計、プランニング、現場監理、アフターメンテナンスを行なうなか、ログハウス全般に関しての「駆け込み寺」的な地位を確立する。2014年、ログハウスの改修、補修に特化した(同)ティーエージーメンテナンスを設立。他社の物件も含め、傷んだログハウスの相談や治療を行なっている。
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