暮らしやすい間取りのコツ [ 後編 ]

暮らしやすくて無駄がない。そんな理想の間取りを実現するには、どうすればいいのだろう? 後編では、ログハウスメーカー各社による役立つアレンジのアイデアと、個性派間取りを紹介しよう。

取材協力(株)TALOインターナショナル Yさん、(株)ホンカ・ジャパン 平井邦明さん、 夢木香(株) 谷本恵未さん

(株) TALOインターナショナル

優れた設計力を持つメーカーだけに、建築例のバリエーションも豊か。

このログハウスは、東京都内の狭小地でも明るくゆとりのあるリビングが欲しいという施主の要望に応え、4つの天窓と大開口でリビングの採光を確保。さらに、洗面と浴室を2階に配置することで、1階のLDKを広くした。また、寝室は出窓を設け、空間を有効利用している。

プランニングのポイント

スペースがない都内の住宅地でゆとりあるLDK を実現するために、洗面と浴室を2 階に配置しLDK を拡大。洗濯物を外から目立たないように干したいという要望もあったため、東西南北に窓を設置して風通しをよくするといった工夫もなされている。

(株)ホンカ・ジャパン

世界各国での建築実績によりデザインされた豊富なプランを用意、自社工場での製作のためアレンジにも柔軟に対応。

この物件は、基本プランの「タルモ2」にサイズ変更、ログ増し積み、間取り変更といったアレンジを加えたもので、楽器演奏ができる防音スタジオ、広くくつろげるLDKやロフト、屋根つきのデッキなど、施主の要望を見事に具現化。

プランニングのポイント

基本プランにはない収納つきの独立玄関を設置。また、基本プランのサイズや間取りを変更することで施主の要望に対応し、約9畳のスタジオ、吹き抜けの20㎡のリビングダイニング、5㎡の対面キッチンおよびパントリースペースを作った。

夢木香(株)

マシンカット、ハンドカット、ポスト&ビームと各タイプのログハウスを手がけるが、この物件は角材を使用したティンバーフレーム。材はカナダのウエスタンレッドシーダーで、L字型の間取りに大きくゆるやかな屋根を掛けたユニークな住まいになっている。

L字型の間取りを上手に利用して水まわりやLDK、寝室のゾーニングを分けながらも、中央に広いデッキを設けゆるやかに各スペースつなげることで、プライベート感と開放感を両立。飛行機のような三角の屋根や広い洗面、ガラスドアのバスルーム、ビルトインガレージなど、個性的なプランは自由設計ならではといえるだろう。ティンバーフレームの設計自由度の高さも生かされている。

プランニングのポイント

施主の要望は、図面からは想像できない家、ワンルームの家、上に登れる屋根とかなりユニーク。これに応えるために、間取りをL 字型にし、デッキでゆるやかにつながるようにした。屋根は勾配がゆるやかで、はしごを掛けて上れるようになっている。

構成・取材・文/原 太一

関連キーワード