家づくりを楽しむことが目的のハーフビルド。作業はまだまだ継続中!
田舎でしたいこと、街でしたいことのどちらも手に入れたい。そんな思いをかなえられる「二拠点生活」が注目を集めています。今回はそんな二拠点生活を送る渡辺さん邸をご紹介します。
渡辺さん
設計/アペント㈱ 施工/アペント㈱+セルフビルド
ログハウス作りは最高に楽しい遊び

神奈川県相模原市に自宅を持つ渡辺さんご夫妻は、毎週休みのたびに、ここ山梨県の別荘地に建てたログハウスを訪れる。 ここに来るのは、優雅にくつろぐため、ではなく自分たちのログハウスを完成させるため。ご夫妻は、メーカーに躯体工事までを依頼し、あとの内装を自分で行うハーフビルドにチャレンジ中なのだ。


「昔からログハウスのセルフビルドにあこがれていたんですが、自分だけで全部やるのは難しい。そこでログメーカーのアペントさんに手伝ってくれないかとお願いしたんです。メーカー的にはかえって面倒なお願いだと思いますが、気持ち良く引き受けてくれてありがたかったです」

屋根を掛けてからかれこれ1年の間、床板を張ったり、キッチンを造作したりとDIYを続けているが、いまだに住まいは未完成。しかし、 それでいいのだと渡辺さんは笑う。「作ること自体が目的なので、むしろ終わらせないようにしています。家づくりはわからないことだらけですが、それをどうするのか考えるのがおもしろい。おもしろすぎてゴルフなどほかの趣味はまったくやらなくなってしまいました(笑)」
ただし、手作りとはいえログハウスのでき映えはプロ顔負けだ。7度も重ね塗りした外壁は滑らかでピカピカだし、玄関タイルも狂いなく張られている。また、竹の集成材を使ったキッチンや、ステンドグラスを入れたトイレのドア、階段上の収納棚など、素材や仕上げに徹底的にこだわっているのがわかる。


「家づくりはこの家を建ててくれた大工さんの仕事を見て覚えました。どの作業も慣れてようやくできるようになった頃に終わってしまうのが悔しいんですよね」 今週はテーブルと椅子の仕上げやキッチンのゴミ箱づくり。それが終わったら2階に置くベッドづくりに取りかかる予定だというおふたり。終わりのない家づくりをまだまだ楽しむつもりのようだ。
【 Detail 】
≪リビングダイニング≫



≪キッチン≫

≪2階≫


≪サニタリー≫

≪玄関≫

【DATE】 ●家族構成/夫婦 ●使用ログ材/レッドパイン(D 型ラミネート、W13.8 × H20.3cm) ●ストーブ/ニッセン「KS-3B 1967 年製」「BS-3 1965 年製」 ●敷地面積/759.00㎡(229.59 坪) ●床面積/ 1F 48.60㎡(14.70 坪)、2F 30.04㎡(9.08坪)、延床面積 78.64㎡(23.78 坪) ●総工費/約2370 万円+税


取材・文/原 太一、写真/松井 進
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