白い壁にダークグレーを組み合わせた北欧ログで上質インテリアを楽しむ

せっかくログハウスに住むなら自分の好みやこだわりを生かしたいもの。夢を形にしたオーナーの暮らしぶりと、素敵なログハウスを紹介しよう。

長野県・Iさん

設計・施工/㈱ネクストプラン、輸入/㈱ホンカ・ジャパン

好きなものに囲まれるセンスあふれる別荘

ウッドデッキに続く大きな開口部のあるダイニングキッチン。ダイニングセットは、フリッツハンセンのアナログテーブルに、ドロップチェアと北海道の木の椅子を2脚ずつ組み合わせた

昨年末に完成したばかりのIさんの別荘は、白とグレーを基調としたインテリアが素敵なマシンカットログハウス。躯体はフィンランドのホンカラケンネ社製で、家具も北欧デザインのものを中心に選び、居心地のいいセンスあふれる空間に仕上げている。 「在来工法やほかの建物も見て、無垢の木をたくさん使ったログハウスが、好みのインテリアに似合うと思い選びました」とIさん。何といっても印象的なのは、ログならではの雰囲気のある白い壁と、窓枠や手すり、家具などにも選んだダークグレーの組み合わせだ。

キッチンからリビングを見る。白く塗装した壁面が明るい印象だ。1階は開放的なLDKと主寝室、サニタリーが配置されている

「施工例を見てみると同じ白でも、木目が透けるように塗装している例が多かったのですが、それだとピンク色っぽい壁になってしまうし、塗りつぶしても木の質感は十分感じられると思い、マットな白い塗装を選びました」。白い壁にアクセントとして組み合わせたダークグレーは、色選びに苦戦したという。

ホテルライクな洗面室。グレーの壁は漆喰、カウンターはオリジナル。掃除のしやすさも重視して、蛇口は壁づけを採用した

「ダークグレーといっても、本当に幅広い色があり、黒すぎたり、青っぽかったり。小さな色見本で見てもイメージがわきにくく、かなり慎重に選びました」。 基本となる色を2色に決めたことで、家具や家電、カーテンなども、それに似合うものを迷わず選べ、統一感のあるインテリアに仕上がった。家具や照明器具は、北欧デザインのものを中心にセレクト。「それでも照明だけは、自分で計画するのが難しく、プロの手を借りました。ダウンライトの配置など思いつかないようなアイデアを取り入れられたので、頼んで良かったです」。

明るい木立の中に建つフィンランド産のマシンカットログハウス。外壁はダークグレーに塗装してシックな印象に

ここは、ご夫婦と犬と猫とで過ごす別荘。大きな窓から自然の風景を見たり、階段を上り下りしたり、薪ストーブの前でくつろいだり、犬と猫も別荘ライフが大好きだそう。自宅と別荘と半々くらいで生活していくのが今後の計画だ。「春からは庭づくりも少しずつ始めたいと思っています」。

【  Detail  】

≪LDK≫

グラフテクトのシステムキッチン。シンプルなI型の配置で、カラーはベトングレー。冷蔵庫も同系色で、インテリアに統一感を持たせた
ダイニングの収納家具は、家の建築時に大工さんに作ってもらった。「あまり家具を置かずに済むよう、この部屋に合う収納を作ってもらいました」とIさん。家電や鍋もダークグレーで揃えた
ログと同じくフィンランド製の窓は、塗装後に輸入されるため、建築の早い段階で色選びをすることに。家の建っていない状態で仕上がりをイメージするのが難しかったという
左/照明計画はプロに依頼。低いソファーに合わせて低い位置に設置した、ルイスポールセンのエニグマ 右/ダイニングのペンダントライトは北欧デザインの逸品、ルイスポールセンのPH5。ホワイトが人気だが、インテリアに合わせてブラックを選択
左/薪ストーブはデンマーク「ワム」の4620C。白とダークグレーの空間に、黒い薪ストーブがよく似合っている 右/床暖房対応のフローリングはパナソニックのベリティスフロアーW。柱の下部を覆う銅板がインテリアのアクセントになっている

≪サニタリー≫

洗面ボウルはドイツ製の輸入品。ボウルの存在自体がインテリア要素になる
10.5㎡の空間に、洗面、トイレ、シャワーブース、洗濯室を集約した

≪主寝室≫

1階の主寝室。ベッド代わりに小上がりを作り、マットレスを置いている。低い段差が犬にもやさしい造り

≪2F≫

元のプランにあったバルコニーは設けず、ドアの代わりに三角窓を配置した。屋根の低い部分は収納スペースを設けている
2階にはゲストルームを2部屋配置。この壁は木の色が見えて、ほかとは違った雰囲気になっている

≪外まわり≫

外壁はすべてダークグレーで、玄関ドアだけブラックに塗装。ベース塗り1 回、着色は2回の計3回塗りとなっている
家の2面にL字型に配置したウッドデッキ。腐りにくく強度のある南洋材のセランガンバツ材を使用している

【DATA】 ●使用目的/別荘 ●家族構成/夫婦 ●工期/2022年5月~ 2022年12月 ●構造/丸太組み構法(カーブノッチ)、地上2階 ●使用ログ材/欧州アカマツ(W11.2×H18cm) ●外壁の塗料/ティックリラ(ベース1回+着色2回塗り) ●内壁の塗料/ティックリラ(2回塗り)   ●基礎/ベタ基礎 ●ストーブ/ワム 4620C ●床面積/1F 58㎡(17.55坪)、2F 39.5㎡(11.95坪)、延床面積 97.5㎡(29.49坪) ●輸入/株式会社ホンカ・ジャパン https://www.honka.co.jp/ TEL 03-5309-2369

取材・文/たむらけいこ、写真/関根おさむ