塗装する、棚を作る、薪を割る。手をかける時間が暮らす楽しみに

岡山県・Kさん  ●設計・施工/(株)スケッチ 輸入/アルティック社

ひたすら塗り重ねるほどに家への愛着が増してくる

バイクを触るのが好きなご主人と、絵を描くのが好きな奥さま。家を持つなら木のぬくもりを感じるログハウスと決めており、メンテナンスなどの手間も承知のうえで「むしろそれを楽しみたい」と、あこがれのログハウス暮らしをスタートさせた。

躯体は、フィンランドパインのマシンカットログ。外壁塗装はほぼすべて自分たちで、2カ月かけて4度塗りした。真夏の炎天下での作業だったが、「黙々とハケを動かすのが楽しくて、終わってもまだまだ塗っていたいと思うほどでした」と奥さま。

住み始めて3年、まっさらだった木肌は屋内外ともに深みのある色つやに。メンテナンスについては、設計・施工を行ったスケッチに相談している。「建てたあとまでずっと変化を見守っていけるのも、ログならではの喜びですね」と語ってくれた。

屋内は、薪ストーブのよく似合う吹き抜けの大空間。LDKから一段下がって広い土足の板の間が設けられ、バイクの手入れやDIYの作業場として使えるようになっている。建物自体はほとんど間仕切りのないシンプルな造りだ。暮らしながら自分たちに使い勝手がいいように、少しずつ手を加えてきた。特に棚類については、奥さまのオーダーでご主人がいくつも自作し、省スペースで機能的な収納を作っている。

あわただしい日常の合間、デッキやバルコニーに出てお茶を飲むのがくつろぎのひと時。高台の敷地は見晴らしが良く、夜には星がたくさん見えて、家にいながらキャンプ気分が味わえる。ご夫妻で外を眺めながら庭づくりやDIYの構想を練っていると、やりたいことがどんどんふくらんでくるそうだ。

DATA

使用目的/自宅 家族構成/夫婦+子ども1 人 使用ログ材/欧州アカマツ(W8.8 × H18.3cm) ストーブ/ホンマ製作所「HTC-80TX」 敷地面積/591.25m²(179.16 坪) 床面積/1F 55.98m²(16.96 坪)、2F 48.33m²(14.64 坪) 延床面積/104.31m²(31.60 坪) 総工費/2345.1 万円+税

取材・文/吉田愛紀子、写真/松尾浩靖