【東京と千葉で二地域居住】ログとの出会いは偶然!? 都会と海辺を行き来する充実の二拠点ライフ

自然に囲まれて暮らしたいが、かといって山奥で孤独に自給自足するのはキツいもの。その気になれば都市部へのアクセスが悪くない、ほどほどにのどかでそこそこ便利な「プチ田舎」の人気が高まっている。街中では味わえないその土地ならではの楽しみを取り入れて、もっと人生を豊かにしてみよう。

千葉県 Gさん

設計・輸入・施工/高原都市開発(株)

前の持ち主が手入れしていた庭を引き継いだG さん。都内でよく行く公園より広いこの庭で、子どもたちは走りまわって遊んでいる

子どもがのびのび遊べる別荘を探して、海の近くに築20年のログハウスと庭つきの土地を見つけたG さんご夫妻。「よく手入れされた庭が気に入って即決したものの、ログハウスで過ごすイメージはわかないままでした」と振り返る奥さま。東京では都心のマンション暮らしのため、最初は別世界に感じたそう。ところが庭の手入れのため毎週末通ううち、すっかりログハウスに魅了された。

外壁の塗料はキシラデコールのタンネングリーン。元のログハウスの外壁が経年で青みを帯びた色合いだったのを気に入り、同じものにした

「室内にいても自然の中にいるようで心地良くて。2年使って建て替えることになったときも自然な流れでログハウスに決まりました」。設計・施工は高原都市開発に依頼。こだわったのは、庭から家を見たときに印象を損なうものが見えないこと。そのため、奥さまのアイデアで配管をともなう水まわりはすべて家の西側に集めた。さらに、庭側の屋根にドーマーを設けてロフトを居室として使いやすくしたのも奥さまの案だ。都心のマンションと同じ、またはそれ以上の快適さを持つセカンドハウスとなった。

訪れるのは月1回程度のつもりだったが、庭づくりにハマって頻繁に来るように。東京のマンションにいても庭のことを考えている

ログハウスを建て替えてからは、時間ができるとこちらで過ごすのが定番に。ご主人と奥さまは庭作業、子どもは走りまわって遊ぶので夜は全員ぐっすりだ。 「子どものためにと思ったけど、庭いじりや近所の方との交流のおかげで私たちもすごくリフレッシュできています」と奥さま。ご主人の仕事は現在フルリモートのため、子どもの学校が長期休暇に入ったらここで過ごす予定だ。

赤いミニログは前の持ち主が建てたもの。白い小石を敷き詰めた手前のスペースは夏にキッズプールを出す予定
ミニログの中はご主人がリモートワークで活用中

【  Detail  】

≪リビングダイニング≫

12畳のリビングダイニングは仕切りがなくゆったりとしている。ログ壁のほか床と天井もパイン材で、統一感がある空間となった
薪ストーブはネスターマーティン社の「S43」という機種。庭の木を薪に使いたかったので、長めでも入るように大きいサイズをセレクトした
イケアの大きなランプシェードがアクセントになっているダイニング。この掃き出し窓から出入りすることが多いため、靴箱も窓の脇に設置
キッチンの対面カウンターはイケアのもので、キッチン側は収納棚になっている。子どもたちはここで宿題やお絵描きをすることも
ログ材はシベリアパインの3層ラミネートログ。すっきりとした内装が好みで、自然と角ログを使うことに

≪2階≫

主寝室は引き戸を採用。右のドアからはバルコニーに出られる。エアコンの室外機は外にあり、バルコニーの手すり状の壁が目隠しに
ロフトのキッズコーナー側。庭側の屋根にシェッドドーマーを設けて空間を広げたのでゆったりとしている

≪サニタリー≫

洗面脱衣室にはイケアで見つけたツインボウルの洗面台を採用。「東京の家はシングルなので、この家ではゆったり使えるように」と奥さま
1階トイレの壁は、耐水性に優れる「オールドヴィレッジ」のバターミルクペイントで塗装。手洗いシンクやミラーはイケアでコンパクトなものを見つけた

≪ウッドデッキ≫

広いウッドデッキは第2のリビング。床下にあるのはDIY 用に譲り受けた建材のあまりで、これまでに薪棚などを作った

【DATE】 ●使用目的/別荘(二地域居住) ●家族構成/夫婦+子ども2人 ●使用ログ材/ シベリアパイン(W10.5×H17.5cm) ●ストーブ/ネスターマーティン「S43」 ●敷地面積/762.71㎡(230.72坪) ●床面積/1F 47.70㎡(14.42坪)、2F 34.22㎡(10.35坪)、延床面積 81.92㎡(24.7坪)

取材・文/藤屋翔子、写真/関根おさむ